69. くじらパン
69. くじらパン
69 くじら
かこ先生は若(わか)い頃(ころ)からクジラを主人公(しゅじんこう)にした紙芝居(かみしばい)や物語(ものがたり)をつくっていました。
それは、南極観測(なんきょくかんそく)がはじまったり、小学校(しょうがっこう)の給食(きゅうしょく)に、くじら肉のメニューがあって、こどもたちが興味(きょうみ)関心(かんしん)をもっていたからでしょうか。
1950年、こどもたちといっしょに遊(あそ)んだり絵(え)をかいたりするようになる以前(いぜん)にかいた作品(さくひん)です。
「青(あお)い鯨(くじら)」という45枚の絵(え)のほとんどがくじらの絵(え)で、さまざまなえがきかたをこころみています。
最初(さいしょ)の絵(え)がこれです。
人間(にんげん)の戦争(せんそう)にまきこまれて親(おや)をなくしてひとりぼっちになったくじらが南極(なんきょく)をめざします。
『かこさとしと紙芝居 創作の原点』(童心社)より
ようやくたどりついた南極(なんきょく)の海(うみ)で、黄色いくじらにであいました。
このくじらは、のちに紙芝居(かみしばい)や絵本(えほん)になった、「きいろのクジラ」のもとになったのではないかとおもわれます。
『かこさとしと紙芝居 創作の原点』(童心社)より
『かわいいきいろのクジラちゃん』(復刊ドットコム)の表紙(ひょうし)です。
まんなかにいる母(かあ)さんクジラときいろのこどもが南極(なんきょく)にむけておよぎます。このきいろのクジラちゃんは、くじらパンの形(かたち)ににていますね。
『かわいいきろのクジラちゃん』(復刊ドットコム)のはじまりの場面(ばめん)です。
親子(おやこ)のクジラが南極(なんきょく)につくと、捕鯨船(ほげいせん)にみつかってしまいました。
『かわいいきろのクジラちゃん』(復刊ドットコム)より
母(かあ)さんクジラはこどもをまもるため、おとりになって死(し)んでしまいました。
ほかのこどもクジラと色(いろ)がちがうので、なかまはずれにされていたきいろのクジラちゃんは、母(かあ)さんをなくして、どうすればよいのでしょう。
南極(なんきょく)にくるまでにしていたように、星(ほし)に向かって祈(いの)りました。
「かなしいことは、がまんします。どうか、みんなと同(おな)じからだの色(いろ)にかえてくだい」
ながい、さみしいよるがすぎて⋯
『かわいいきろのクジラちゃん』(復刊ドットコム)より
『こどものカレンダー8月のまき』(偕成社)では日本と逆(ぎゃく)の季節(きせつ)、まふゆの南極(なんきょく)をとりあげています。
いろいろな種類(しゅるい)のくじらとくじらが食(た)べる「だいおういか」、海底(かいてい)にはくじらの骨(ほね)もみえます。
『海』(福音館書店)より
哺乳類(ほにゅうるい)のくじらは肺(はい)で呼吸(こきゅう)をします。はく息(いき)が「しおふき」です。
『海』(福音館書店)より
『大きな大きなせかい』(偕成社)より
しろながすくじらが大(おお)きい生(い)き物(もの)のれいとしてかかれています。
『それゆけ がんばれ われらの楽団』(全国心身障害児福祉財団偕成社)より
動物(どうぶつ)の速(はや)さは、ただ力(ちから)が強(つよ)く、からだが大(おお)きいだけでは、速(はや)くおよいだりできません。からだにつりあった、ほどよい強(つよ)さの筋肉(きんにく)がたいせつなのだそうです。
『宇宙』(福音館書店)より
かこ先生ならではのユーモアですね。『どじょっこふなっこのあそび』(農文協)より
『こどものカレンダー1月のまき』(偕成社)より
『だるまちゃんすごろく』(福音館書店)より
『スイスイおよごうスイミン』(童心社)より
この絵(え)は、越前市(えちぜんし)武生(たけふ)中央公園(ちゅうおうこうえん)にある市民屋内(しみんおくない)プールの壁(かべ)にかざってあります。
越前市(えちぜんし)中央公園(ちゅうおうこうえん)のだるまちゃん広場(ひろば)の衛星写真(えいせいしゃしん)です。
風車塔(かざぐるまとう)が下(した)にみえます。
実物大(じつぶつだい)のシロナガスクジラの形(かたち)の白(しろ)い点々(てんてん)もみえますね。
©︎Google Earth 2023
だるまちゃん広場(ひろば)から、風車塔(かざぐるまとう)をみた風景(ふうけい)。
てまえにしろい点々(てんてん)がみえますが、これがシロナガスクジラです。
ちかくでみると、おおきすぎて、なかなかシロナガスクジラとわからないかもしれません。
©︎Google Earth 2023
「くじらパン」のおはなしはこれでおしまいです。