『からすのパンやさん』にでてくるパンをくわしくかいせつします
64 だるまパン
『だるまちゃんとてんぐちゃん』が誕生(たんじょう)したのは、1967年、『からすのパンやさん』より6年前(ねんまえ)のことでした。
かこ先生は「だるまちゃん」をかくまえのおよそ16年間(ねんかん)、日本全国(ぜんこく)にある伝承郷土玩具(でんしょうきょうどがんぐ)を調(しら)べていました。
そのなかでも種類(しゅるい)と変化(へんか)にとむ「だるま」を絵本(えほん)に登場(とうじょう)させました。
日本の人々(ひとびと)の心(こころ)や願(ねが)い、くるしみをくみとり、よろこびにつながるものを作(つく)りたいと願(ねが)ってのことでした。
各地(かくち)にあるたくさんのだるまから、いくつかをしょうかいしています。みなさんになじみのある「だるま」はありますか。
『こどものカレンダー1月のまき』(偕成社)より
かこ先生によると「だるま」は、大(おお)きくわけて3つにわけられます。
1つは、上(うえ)にあるような、鳥取倉吉(とっとりくらよし)だるま、金沢八幡(かなざわやはた)おきあがりや、新潟水原(にいがたみずはら)三角(さんかく)だるまなどのような「おきあがり小法師(こぼし)」系(けい)のものです。
2つめは、子宝祈願(こだからきがん)のひめだるま系(けい)で、愛媛松山(えひめまつやま)のものなどがあります。
3つめは、めをいれるだるまで、だるま市でうられるものです。
『こどものカレンダー1月のまき』(偕成社)より
年(とし)の瀬(せ)にこんな光景(こうけい)がみられたのは、昭和時代(しょうわじだい)でしょうか。
だるまを手(て)にしてうれしそうにしている人(ひと)がいます。
『こどものカレンダー12月のまき』(偕成社)より
こちらでは、だるまのようなおひげの人(ひと)が品定(しなさだ)めですね。
『こどもの行事 しぜんと生活12月のまき』(小峰書店)より
このだるまは払子(ほっす)をもっています。
インドではハエをはらったりするにもつかうそうです。
だるまどんもっていましたね。
『あそびの大事典』(農文協)より
『だるまちゃんとてんぐちゃん』(福音館書店)より
だるまパンににていますね。
だるまは、禅宗(ぜんしゅう)の始祖(しそ)としてしられるインドの高僧(こうそう)達磨(だるま)にちなんでつくられたものです。
坐禅(ざぜん)のようすをえがいている上(うえ)の絵(え)は一筆(ひとふで)がきになっています。だるまどんの左目(ひだりめ)、むかって右(みぎ)の目(め)からはじめます。
『あそびの大事典』(農文協)より
紙(かみ)の強(つよ)さを実験(じっけん)でしろうという科学絵本(かがくえほん)にだるまの貯金箱(ちょきんばこ)がでてきます。
『よわいかみ つよいかたち』(童心社)より
お金(かね)がたりなくなった、とはどんな実験(じっけん)だったのでしょうか。
『よわいかみ つよいかたち』(童心社)より
なるほど、紙(かみ)をこのようにおると、たくさんの10円玉(えんだま)をささえることができるのですね。
だるまさん、そんなにおこらないでくださいよ。
にらめっこ、そう、にらめっこでもしましょう!
『よわいかみ つよいかたち』(童心社)より
じゃんけんができない小(ちい)さいこでも、にらめっこはできます。道具(どうぐ)もいらない、どこでもかんたんにできる楽(たの)しいあそびです。
『かわいいみんなのあそび』(復刊ドットコム)より
『だるまちゃんとにおうちゃん』(福音館)より
だるまちゃんもにおうちゃんも、りょうほういっしょにふきだしてわらってまったので、ひきわけ。
『だるまちゃんとにおうちゃん』(福音館書店)より
にらめっこのしんけんしょうぶです。
ゆきだるまとにらめっこですか!?『こどもの行事 しぜんと生活12月のまき』(小峰書店)より
だるまちゃんの百面相(ひゃくめんそう)ではなく、七面相(しちめんそう)を『だるまちゃんかるた』(福音館書店)からご覧(らん)ください。
だるまちゃんのこんな顔(かお)、めずらしいですね。
おやおや、ながぐつが⋯
こぶができた!
だるまちゃんもてんぐちゃんもだいじょうぶでしょうか。
すごいけが。竹馬(たけうま)からおちたのですね。
だるまちゃんがころんだ!なんていっているばあいではありません。
がんばれ、がんばれ!
『だるまちゃんすごろく』(福音館書店)にでてくるだるまは、こんなにあります。
福井県越前市(ふくいけんえちぜんし)の武生中央公園(たけふちゅうおうこうえん)にある「だるまちゃんひろば」にあるだるまちゃんの顔(かお)だしパネルです。
白(しろ)いまるのところに裏(うら)から顔(かお)を出(だ)して、写真(しゃしん)撮影(さつえい)。
こんどいってみてください。
写真=加古総合研究所
かこ先生のコレクションです
写真=加古総合研究所
だるまパンの説明(せつめい)はこれでおしまいです。
『あそびの大事典』(農文協)より