63でんわパン


63.  でんわパン

63 でんわパン


昭和(しょうわ)40年代(ねんだい)になって電話(でんわ)が急速(きゅうそく)にひろまりました。


家(いえ)にあるのは、ダイヤル式(しき)の黒(くろ)い電話器(でんわき)でした。 


まず上(うえ)の受話器(じゅわき)をはずします。まんなかの丸(まる)い部分(ぶぶん)をかこむように0から9までの数字(すうじ)があり、かけたい番号(ばんごう)の数字(すうじ)のダイアルに指(ゆび)をいれて時計回(とけいまわ)りに回(まわ)します。


元(もと)の位置(いち)に戻(もど)ったら次(つぎ)の数字(すうじ)のところに指(ゆび)をいれてダイアルを回(まわ)す、というようにして順番(じゅんばん)に数字(すうじ)を回(まわ)してかけるのです。


あわてものの「ゴロベエどん」がしょうぼうしょかけたのもダイアル式(しき)のこういう電話(でんわ)でした

こどものカレンダー12月のまき』(偕成社)より 

かこ先生が絵本(えほん)をかいていたころと、家庭(かてい)の固定電話(こていでんわ)がひろまる時期(じき)がちょうど、同(おな)じ時期(じき)でした。

絵本(えほん)のなかにも電話(でんわ)のうけかたなどがでてきています。

また、電話(でんわ)がおはなしのたいせつな道具(どうぐ)になっている作品(さくひん)もあります。


ことばのべんきょう くまちゃんのごあいさつ』(福音館)より 

おばあちゃんは電話(でんわ)で孫(まご)が生まれたという嬉(うれ)しいしらせをうけます。

『ねんねしたおばあちゃん』(ポプラ社)より

まごのタミエちゃんは、大(おお)きくなって、お母(かあ)さんが働(はたら)いている昼間(ひるま)はおばあちゃんが世話(せわ)をしています。

ところが、ある日、そのばあちゃんはねたまま電話(でんわ)にでません。

じつは、おばあちゃんは倒(たお)れて意識(いしき)がなかったのです。

『ねんねしたおばあちゃん』(ポプラ社)より

紙芝居(かみしばい)作品(さくひん)としてえがかれました。

かなしいお話(はなし)ですが、かこ先生(せんせい)が子(こ)どもたちにどんな思(おも)いをもっていたのか、よくわかる貴重(きちょう)な作品(さくひん)です。

『でんわの父さん』(全国心身障害児福祉財団)より

トシちゃんがお父さんの電話(でんわ)をはじめてうけたのは小学校(しょうがっこう)にはいる前(まえ)、妹(いもうと)が生(う)まれたというしらせでした。

『でんわの父さん』(全国心身障害児福祉財団)より


やがて、父(とう)さんはトンネル工事(こうじ)の出稼ぎ(でかせ)ぎにいくようになりました。お盆(ぼん)とお正月(しょうがつ)しかかえってきません。

よる9時(じ)に電話(でんわ)のベルが3度(ど)なります。

(とお)くから、毎日(まいにち)電話(でんわ)をかけるとお金(かね)がかかるので、3度でやんだら、お父(とう)さんは元気(げんき)だという合図(あいず)です。

カナちゃんもでんわをとらずにベルの数(かず)をかぞえているのです。

『でんわの父さん』(全国心身障害児福祉財団)より

その日は4度(ど)もベルがなったのでカナちゃんあわててとると、「きれいなお月(つき)さんが見(み)えるから、そっちでもいっしょに見(み)て」というお父(とう)さんでした。

ある晩(ばん)、でんわがなりませんでした。

次(つぎ)の朝(あさ)はやく、会社(かいしゃ)からお父(とう)さんが病気(びょうき)で入院(にゅういん)したというしらせがありました。

お父(とう)さんからの電話(でんわ)はもうこなくなりました。

3度(ど)ベルがなることもお月(つき)さんをいっしょに見(み)ることもなくなってしまいました。

でんわの父さん』(全国心身障害児福祉財団)より

嬉(うれ)しいことも悲(かな)しいことも、電話(でんわ)は山(やま)をこえて海(うみ)のむこうにも声(こえ)を届(とど)けます。

電話(でんわ)をかけているひと、おはなししているひとをみてみましょう。でんわにはコードがありますね。

『もしもしでんわアローアローテレホン』(童心社)より

ひとだけではありませんね。


からすのおとうさんは、だれとはなしているのでしょう?

『あさですよよるですよ』(福音館書店)より

電話(でんわ)は仕事(しごと)にもかかせません。

110番に電話(でんわ)がはいったようです。

こちらは119番、しょうぼうしょですね。

いちばんさいしょに登場(とうじょう)したふるい電話(でんわ)です。

だんだん黒い(くろ)電話(でんわ)にちかづいていきます。

オール電化(でんか)のかみなりちゃんのおうちの電話(でんわ)はコードレス!

『だるまちゃんとかみなりちゃん』(福音館)より 

昭和(しょうわ)時代(じだい)、まちには、赤い公衆電話(こうしゅうでんわ)や、でんわボックスがいろいろなところにたくさんありました。

『ことばのべんきょう くまちゃんのいちねん』(福音館)より 


『ことばのべんきょう くまちゃんのかいもの』(福音館)より 

『もしもしでんわアローアローテレホン』(童心社)より


これで「でんわパン」のせつめいはおしまいです。

『もしもしでんわアローアローテレホン』(童心社)より