『からすのパンやさん』にでてくるパンをくわしくかいせつします
57 さんごパン
「金銀珊瑚綾錦(きんぎんさんごあやにしき」は桃太郎(ももたろう)が鬼(おに)たいじをしてもちかえったといわれる宝物(たからもの)ですね。
むかし、女(おんな)のひとは、さんごのかんざしや帯留(おびど)めなどをたいせつにしていました。
いまでも、むかしとおなじように、あるいはそれいじょうに、ますます貴重(きちょう)なしぜんの恵(めぐみ)です。
「えにもかけないりゅうぐうじょう」のえ?!にあるような、あかやべにいろのさんごが、まずおもいうかびます。うみのどんなところにすんでいるのでしょうか。
『どじょっこふなっこのあそび」』(農文協)より
『海』(福音館書店)よると、りくだなが、きゅうに深(ふか)くなっていくところに、あかさんご、しろさんご、ももいろさんごがあります。
ひとつひとつみていきましょう。
深(ふか)さ100メートルというと、にんげんがとくべつなそうちをつけずにもぐれるきろくがありますが、息(いき)を20分以上とめなければならないのでたいへんきけんです。
『くらげのふしぎびっくりばなし』(小峰書店)より
しろさんごもおなじように100メートルよりふかいあたたかい海(うみ)で、そだちます。
『くらげのふしぎびっくりばなし』(小峰書店)より
べにさんごは、地中海(ちちゅうかい)にすんでいるさんごです。
『くらげのふしぎびっくりばなし』(小峰書店)より
さんごがそだつはやさは、1年(ねん)で0.5〜2ミリくらいだそうです。30センチのさんごになるには、なんと150〜600年もかかることになりますね。
しかも、ながれのはやい、ふかい海(うみ)でそだちますので、とるのも大変。
宝物(たからもの)とされてきたのもうなずけます。
『くらげのふしぎびっくりばなし』(小峰書店)より
モモイロサンゴ
100センチ。ふかさ150~350メートルのあたたかく、 流れのはやい、きれいなうみのいわにつく。
群体(ぐんたい)は、 大きく枝分(えだ)わかれがおおい。 ポリプは2~3ミリ。
きいろやくろいさんご、それに青(あお)さんごもあります。
きさんごはもうすこしあさい海(うみ)にそだちます。
30〜50メートルくらいの深(ふか)さの海(うみ)ようすをみてみましょう。
岩(いわ)のひだりにある、「おうぎふとやぎ」、みぎがわに「はなやぎ」や「いそばな」もさんごです。
かいていには「きさんご」がみえます。
『海』(福音館書店)より
このようなさんごのことがなぜ、『クラゲのふしぎびっくりばなし』(小峰書店)にかかれているのかとふしぎにおもわれるかもしれません。
クラゲとイソギンチャク、そしてさんごはおなじなかまなのです。びっくりですね。
もっとおどろくことに、いしさんご(べつめい、造礁(ぞうしょうさんご)は「何千年(なんぜんねん)、何万年(なんまんねん)とかけて島(しま)をつくってきたのです。(したのず)
いしさんごは、おなじしゅるいでも、潮(しお)や波(なみ)のようすや深(ふか)さで、さまざまなかたちになるのです。
『クラゲのふしぎびっくりばなし』(小峰書店)より
「いしさんごのなかまが何万年(なんまんねん)も何億年)なんおくねん)もかけてつくりあげたてきた海(うみ)。
そこには山(やま)や島(しま)があり、海(うみ)の生(い)きものたちのすばらしい花園(はなぞの)」なのです。
『クラゲのふしぎびっくりばなし』(小峰書店)より
かこ先生がこの『海』(福音館書店)をかいたころは、まだこのようなテーブルさんごのようすはしられていませんでした。
水中(すいちゅう)でうつした写真(しゃしん)をみせていただいて、たいへんおどろき、えほんにもかきました。
『こびととおとぎのくにのあそび』(農文協力)より
さんごが気(き)になって桃太郎(ももたろう)さんや浦島太郎(うらしまたろう)さんがやってきたのでしょうか?!
『クラゲのふしぎびっくりばなし』(小峰書店)より
さんごパンのせつめいはこれでおしまいです。
『こどものカレンダー10月のまき』(偕成社)より