70. ピアノパン
70. ピアノパン
70 ピアノパン
昭和(しょうわ)30年代(ねんだい)ころまで、小学校(しょうがっこう)低学年(ていがくねん)の教室(きょうしつ)にはオルガンがありました。
音楽(おんがく)の時間(じかん)には担任(たんにん)の先生(せんせい)のオルガンにあわせ、歌(うた)ったものです。
やがて音楽専門(おんがくせんもん)の先生がピアノを弾(ひ)いて指導(しどう)するようになりました。
ピアノをならいに家のちかくのピアノの先生に通(かよ)うこどもがふえたのも、このころのことです。
『だんめんず』(福音館書店)の表紙にこのような絵(え)が登場(とうじょう)するのも、そういった時代(じだい)の影響かもしれません。
この本が出版(しゅっぱん)されたのは1973年昭和(しょうわ)48年のことでした。
いったい何(なに)がはじまるのでしょうか。
『まさかりどんがさあたいへん』(小峰書店)より
木(き)が切(き)り倒(たお)されて、木材(もくざい)になって、色がぬられて⋯
『まさかりどんがさあたいへん』(小峰書店)より
ピアノが完成(かんせい)です。
『まさかりどんがさあたいへん』(小峰書店)より
『まさかりどんがさあたいへん』(小峰書店)より
ピアノをひくのは、桜(さくら)もようのドレスを着(き)たロボットちゃん。ピアノをつくるところから始(はじ)まって演奏会(えんそうかい)で終(お)わりとなるお話(はな)しです。
もう1つ、ピアノが出てくる絵本(えほん)をどうぞ。
ひどい吹雪(ふぶき)のなかを飛(と)ぶ飛行機(ひこうき)から、つもったゆきに、ふんわり、大(おお)きな荷物(にもつ)がおちました。
すっかりあたたかくなって、スズランの芽(め)がいちめんにでてくるころ、動物(どうぶつ)たちは、荷物(にもつ)のなかみは「つくえみたいなうち」だとおもいました。
『しらかばスズランおんがくかい』(偕成社)より
『しらかばスズランおんがくかい』(偕成社)より
『しらかばスズランおんがくかい』(偕成社)より
スズランの花(はな)がいちめんにさくころ、あわてもののコマドリが「くちのおおきないきもの」のうえをとんで、「むしば」のうえに実(み)をおとしてしまいました。
たいへん!
ところがこの「いきもの」は、うなったりせず、すてきな音(おと)をひびかせます。そこでコマドリは、ことりのなかまをよんできました。
まいにち、この「おとをだすおもちゃ」にあつまって、おとをたのしみにきくようになりました。秋(あき)がきて、冬(ふゆ)になり⋯
『しらかばスズランおんがくかい』(偕成社)より
『しらかばスズランおんがくかい』(偕成社)より
この建物(たてもの)、どこかでみたことがありませんか。
そうです!
にんじん畑(ばたけ)にできた大(おお)きな劇場(げきじょう)です。にんじんが育(そだ)ってゆくころ、ここで大(おお)きな音楽会(おんがくかい)がひらかれました。
『にんじんばたけのパピプペポ』(偕成社)より
たくさんの動物(どうぶつ)たちがかわるがわるに舞台(ぶたい)にあがり、おどりながらうたったり、演奏(えんそう)がつづきます。
「なかまのうた」がはじまると、いつのまにか、みんなの手拍子(てびょうし)が劇場(げきじょう)いっぱいにひろがっていきました。
プログラムのさいごには、ぜんいんがならんで「このほしのいきもののうた」をうたうと⋯
『パピプペポーおんがくかい』(偕成社)より
『パピプペポーおんがくかい』(偕成社)より
左上(ひだりうえ)が『パピプペポーおんがくかい』(偕成社)
右は、「パピプペポーおんがくかい」さいごの歌(うた)などがはいった楽譜(がくふ)です。
これは、かこ先生が作詞(さくし)し、大中恩(おおなかめぐみ)先生が作曲をされた4作品が掲載(けいさい)されたものです。
『わっしょいわっしょいぶんぶんぶん』(偕成社)より
それにしても、ピアノのような重(おも)いものまで置(お)けるとはアクマのくものすも、雲(くも)もすごいですね。
『わっしょいわっしょいぶんぶんぶん』(偕成社)より
あー、ピアノが空(そら)おちてきます!
無事(ぶじ)にピアノももどりました!
『わっしょいわっしょいぶんぶんぶん』(偕成社)より
『でんとうがつくまで』(福音館書店)より
いよいよ、コンサートがはじまりです
おごそかに曲(きょく)がはじまり、みんなしんけんに聴(き)きいっています
曲(きょく)がいちばんいいところくると・・おや?へんな鳴(な)き声(ごえ)が・・
あらまあ、ピアノのなかから・・
『音楽広場」(1993)(クレヨンハウス)に掲載(けいさい)されたものです。
「ピアノパン」のおはなしはこれでおしまいです。
『こどものカレンダー6月のまき』(偕成社)より